【新唐人2010年9月28日付ニュース】「中秋の名月」には、中国人も一家団欒で祝います。しかしそんなお祭りムードの陰で、家をなくし行き場を失った立ち退きの被害者が中国にはいます。カメラは彼らの姿を追いました。
9月21日の午後、上海の住民、祁萍和さん夫婦は、5日間の拘留後、ようやく釈放されました。2人は、万博の会場の外で、立ち退きに抗議していた所、拘束されました。釈放の翌日は中秋の名月でしたが、すでに自宅は取り壊されていました。
たとえ住まいがあっても、立ち退きの渦中にいる人たちは中秋の名月を楽しむ気分にはなりません。河南省開封市ディーゼルエンジン工場の立ち退き対象者たちは、水や電気を止められました。同じく河南省の鄭州市の荊胡村も水と電気を止められて、今年の中秋は月明かりを頼りに食事をしたそうです。
中国で「中秋」といえば、一家団欒のお祝いでもあります。しかし、この1週間というもの、立ち退き被害者の焼身自殺事件が中国で4件も起きています。これは氷山の一角に過ぎませんが、彼らはもう、家族と再会することはできません。
13日、上海の住民、謝さん一家が立ち退きを迫られました。その日の夜、40歳あまりだった末っ子の娘が自宅のあった場所に戻り、首吊り自殺。夫は焼身自殺を試みました。今、謝さん一家は監視下に置かれ、マスコミの取材を受けた隣人の孫さんも警察に連行され、行方不明です。
中国語の検索サイトで「中秋、立ち退き」のキーワードで検索すると、上の方に表示されるのはほとんど政府の慰問の報道です。最近、海外からも注目を浴びた江西省の焼身自殺の論議は陰に隠れたかのようです。しかし、22日、つまり中秋の日、遼寧省の遼陽市で再び、悪質な強制立ち退きに暴力で自衛する悲劇が起こりました。
中国人が中秋の日を大切にするのは、何よりも「一家団欒のむつましい家族」を意味するからです。しかし、悲惨な立ち退きに遭っている人々にとって、それはすでにはるかな遠い夢となりました。来年の中秋の日を彼らはどのように迎えるのでしょうか。
新唐人テレビがお伝えしました。
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